【おすすめ洋書絵本】The Tiger Who Came To Tea

今日の一冊はコレ!

   

   

The Tiger Who Came To Tea/Judith Kerr

   

外国の文化が感じられる作品

  

今日は少し不思議な感性を持つ、この絵本をご紹介します。

「The Tiger Who Came To Tea」(邦題:おちゃの じかんに きた とら)は、イギリスの絵本作家ジュディス・カーの作品です。

 

  

彼女自身はベルリン生まれですが、かつてナチスが政権を握る直前に家族とともにドイツを出国。パリを経由して1936年に英国に移住したバックグラウンドがあります。そのため、このお話はイギリスのアフタヌーンティー文化が色濃く描かれているのですね。

日本人がよく知る「イギリス人のお茶文化」と言えば”アフタヌーンティー”ですが、実際はそれだけではありません。イギリスの人は1日に何回も”ティータイム”をとるのです!!

   

【イギリスの主なティータイム】

◆Early Morning Tea:アーリーモーニングティー
⇨朝起きてすぐ飲む「目覚めの一杯」
貴族の奥様が、ベッドで飲む優雅な紅茶!

◆Breakfast Tea:ブレックファーストティー
⇨朝食時に飲む紅茶
たっぷりの朝食に、たっぷりの紅茶をマグに入れて

◆Elevens:イレブンズ(イレブンジズ)
⇨午前11時頃に飲む紅茶
仕事の合間などに

◆Lunch Tea:ランチティー
⇨昼食時に飲む紅茶
朝食がたっぷりな分、昼食は軽め

◆Midday Tea:ミッドディ・ティー
⇨日本のおやつと同じ、午後3時ごろに飲む紅茶
15分くらいの軽いティータイム

◆Afternoon Tea:アフタヌーンティー
⇨午後4〜5時頃に飲む紅茶(正式には午後5時とも)
休日や来客時などの特別な時にサンドイッチ・スコーン・ケーキなどといただく

◆Five O’ Clock Tea:ファイブオクロックティー
⇨仕事の後など、午後5時頃から軽食と飲む紅茶
例えば観劇を見に行く前など、夕飯前の腹ごしらえとして少しのおつまみと一緒に

◆High Tea:ハイティー
⇨午後6時ごろから夕食と一緒に飲む紅茶
肉類と合わせたことから別名「ミートティー」とも

◆After Dinner Tea:アフターディナーティー
⇨夕食の後に飲む紅茶
アルコールの場合もありますが、ハーブティーなどを飲む人も

◆Night Cap Tea:ナイトキャップティー
(Night Tea:ナイト・ティー)
⇨就寝前に飲む紅茶
体が温まって寝付きが良くなるそうです

  

ざっと書き出しただけでもこんなにたくさんティータイムが!!

昔と現在では同じような時間にとるティータイムでも意味合いが違ったり、上流階級か労働階級かによっても一緒に食べるものが違う場合もあるようです。

   

ちなみにアフタヌーン・ティーとは夕食前の間食。そのため食べる順番があるそうで、野菜入りのサンドイッチ→スコーン→ペストリー(ケーキ)と徐々に甘いものに移ります。

おしゃべりしながらアフタヌーン・ティーをゆっくり楽しむことで、夕食の取りすぎと肥満を抑えるそう。

「The Tiger Who Came To Tea」は子どもの頃からティータイムが生活の主な部分をしめるイギリスならではの、ティータイムの絵本ですね。

 

 

 

どんなストーリー?

 

主人公の女の子、ソフィーとそのお母さんが夕方のティータイムを楽しんでいるところにドアベルが鳴り響きます。

牛乳屋さんは今朝来たし、今日は食料品店のお兄さんが来る日ではないし、パパはカギを持っている。いったいだれかしら?

ソフィーがドアを開けると、そこには大きくて、毛皮がふわふわの、しまもようのトラが立っているではありませんか!

 

  

お腹が空いているのでティータイムに入れて欲しいというトラを、お母さんは快く招き入れてあげました。

しかしその大きなトラは、テーブルのサインドイッチやパンを食べ尽くし、挙げ句の果てには家中の食べ物や飲み物を全てたいらげてしまったのです!

丁寧にお礼を言って帰っていくトラを見送ると、パパの夕食まで食べられていることに気づいたお母さんは困り果てました。

帰宅したパパに、お母さんとソフィーがコトのいきさつを話すと…???

 


 

なんともまぁ、子ども目線だと笑えますが主婦目線だと苦笑いせざるを得ません(笑)

家中の食べ物や飲み物(パパのビールまで!)を食い尽くされてしまったのに、そのあとのパパの神対応と言ったら。

些細なことで落ち込んでしまったり、頭を抱えてしまったり、腹を立ててしまったりする現代人には、こんなにポジティブにソフィーのパパと同じ対応をするのはちょっと難しいかもしれないですね。

「明日は明日の風が吹く」「まぁいいじゃない、どうにかなるさ」という精神がゆる〜く伝わってくる、味のある一品です。

 

 

 

この本で学べること

 

イギリスの絵本だけにイギリス英語の単語やスペルがいくつか見られますが、中学校レベルの表現だけで十分読める内容です。

なんと言っても特徴的なのはトラさんの話し方。さすが紳士の国だけあってセリフがとても丁寧な言い回し。

  

“Excuse me, but I’m very hungry.
Do you think I could have tea with you?”

 

ごめんください。ぼく、とてもおなかがすいているんです。
おちゃのじかんに ごいっしょさせて いただけませんか?

 

 

こんなにていねいにお願いされたら、トラでもライオンでも招き入れてしまうかもしれません。そして、お客様をおもてなしするママの表現もそのまま役に立ちます。

 

“Would you like a sandwich?”
サンドイッチはいかが?
“Would you like a drink?”
飲み物はいかが?

 

これは、このまま読み聞かせて子どもにインプットしちゃいましょう!

カジュアルさはない言い回しですが、覚えておいて損はないフレーズです。しかも単語をちょちょっと変えるだけで日常にすぐに取り入れられるので便利ですね。

 

  

そして単語には、イギリス英語とアメリカ英語の違いがいくつか見られます。

 

【イギリス英語とアメリカ英語の比較】

〈英 → 米〉

・mummy → mommy:ママ

・tin → can:(缶詰の)缶

・tap → faucet:(水道の)蛇口

 

これは絵本に出てきた単語で目についた単語の比較です。

「マミー」はスペルが違うだけですが、イギリスやオーストラリアなど、イギリス領だったところは「mummy」と綴ります。

 

しかし、おもしろいのはここから。

 

アメリカで「mummy」と書くと「ミイラ・やせこけた人」という意味になってしまうのです!

留学予定の方は、スペルや単語の違いを頭に入れていきましょう!(笑)

それにしても、アメリカにもイギリスにも「やせこけたお母さん」っていそうもないイメージなんですけど…(小声)

   

  

 

ちょっと補足

 

絵本の中で、トラが何もかも食べ尽くし水道の水も全て飲んでしまったがために、ソフィーがお風呂に入れなくなってしまった…という描写がありました。

 

「水道の水を飲みつくす」という表現にピンと来ない方もいるかもしれませんが、この本が出版されたのは1968年です。

当時の水事情は当然今よりも劣っているでしょうし、もともと水道やお風呂の技術レベルが高い日本人には理解できないエピソードかもしれません。

私はイギリスには行ったことがないのでアメリカでのお風呂事情を。

  

私がホームステイしていたのは高級住宅街にあるそれはそれは豪邸でした。

しかしお風呂に浸かるという文化が薄いためか、その造りは日本の瞬間湯沸かし温水器などとは程遠く、家に備え付けられた温水タンクの中で沸かしたお湯を保温しておき、シャワーの利用時などはそこからお湯が出てくる仕組み。

つまり、現在たまっているお湯を使い切ってしまうと、またタンクに水をためてお湯に沸かすまでに1〜数時間必要という、日本人には考えられないクオリティなのです。

豪邸ですらそんな設備なのですから、一般家庭はほとんどシャワーです。

  

住み始めた翌日に朝シャンをしていると、その家の娘が飛んできて「シャワーは3分で済ませてくれ」と言われました。

今考えると他の家族がシャワーを浴びるお湯がなくなってしまうからでしょうが、時期はクリスマス前。シャワーを止めるのが寒くて寒くて、震えながらシャンプーをした記憶があります。

 

ちなみに私の部屋の目の前にあった中庭には、デカいジャグジーが置いてありました(最初はなんだかわからなかった)。

お金持ちの家庭では、ジャグジーで体を温めるという人もいるようですね。

 

話を戻します。

1968年当時のイギリスの水道事情は詳しく分かりませんが、日本のように「無限に水が出る」という状態じゃなく、「タンクにためる」という状況に近い設備だったのかもしれません。

と、すると「トラが水を全て飲んでしまったために風呂に入れなくなった」という描写にも納得がいくような気がします。

 

こぼれ話でした。

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもこの本は、おゆりが1〜2歳の頃に手に入れたもの。

その後、我が家ではしばらく英語の本そのものを読む機会が薄れてしまいましたが、このブログで絵本紹介をするにあたって少しずつ掘り起こしていたところです。

 

久しぶりにトラの絵本を読んでいる私たちを見て、たーさんがこんなことを言い出しました。

今までこの本のトラについてそんなに議論を交わしたことはありませんでしたが、一見興味のなさそうな たーさんがこんなにいろんな感想を持っていたとは、驚きでした(笑)

 

読んだ後になんとなく寂しさを感じるかもしれませんが、同時にこのトラさんにものすごく会いたくなってきます。

我が家では

 

うち子
ウチにもトラさんが来たらどうする?
おゆり
じゃあ、たべものイッパイ買っておかなくちゃ!

 

楽しくそんな会話をして盛り上げてみましたが、おゆりは自分のおやつ用にストックしてある「グミ」だけは、トラさんに分けてあげるのはイヤだそうです(笑)

 

でも私は会ってみたいな〜、このトラ❤️

 

いろんな意味でせつなさを感じるこの本ですが、ぜひ親子で楽しんでみてください!

  

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