子どもに英語学習を取り入れようとしている方、またはすでに取り入れていると言う方!
「フォニックス」という言葉を聞いたことはありませんか?
聞いたことがある!知っている!
中にはそういう方もいらっしゃるかもしれませんね。
「8割以上」のママが知らない!「フォニックス」とは?
かつて私が英語関係のお仕事をしていたとき、体験レッスンなどにお越しの親御さんに必ずしていた質問があります。お相手は「これから子どもに英語を習わせようかな」と考えている、ほとんどがママのケースでした。

「フォニックス」って、ご存知ですか?

きちんと数えたわけではなく私の体感ですが、8割から9割の方が
「知らない」「聞いたことがない」と答えました。
残りの割合は次のような内容です。
「聞いたことがあるが、どういうものか知らない」
「聞いたことあるし、なんとなく知っている」
「知っている」
「やってました!」←ほんっとに少数ですが、こうおっしゃった方もいました。
つまり、ある一定の世代で「フォニックス」を知っていると答える人は、ほとんどいないということです。
ママ世代には馴染みのなかった「フォニックス」
私が青春時代を送っていたのは、90年代〜2000年代初頭です。
同じくらいの時期に学生をやっていて、今現在子育てをされているママ世代は多いのではないでしょうか。
当時、習い事として英語教室や塾に通っていた子どもを除いて 「英語は中学校から習うもの」でしたし、私も例外ではありませんでした。
小学校ではよくてローマ字程度。
私の小学校6年生の頃の担任は6年生の1年間でローマ字を徹底的にやらせ、こう言いました。
中学校に上がったら、私に感謝することになるわよ!
つまり、今のうちにローマ字をマスターしてしまいなさい。
私がここまでやらせたからには、英語にとっつきやすくなるわよ、ということなのでしょうが、今思い出しても笑ってしまいます。(もちろん多少は役にたちましたが…)
当時の英語教育がこのような感じですから、フォニックスなんて当然見たことも聞いたこともなかった人がほとんどなわけです。
現在の英語教育は当時よりも進んでいますから、小学校や中学校で見聞きした、幼児の英語教室でやっている!という方は多くなっているでしょう。
「フォニックス」って、なぁに?
フォニックスとは、日本語に直訳すると「音声学」「音響学」などと呼ばれています。
「アルファベットの文字と、その「音」にはルールがあって、ある決まりで文字が並ぶとこのような読み方になる決まりがあるよ」という教え方です。
例を挙げてみましょう。下の単語をご覧ください。
文字を3つ並べてみました。
私が中学校に入学してごく初期に習った単語ですが、ほとんどの方が読むことができる単語だと思います。
今コレを「カップ」と読んだアナタ!!
どうしてこれを「カップ」と読んだのですか? ちょっと考えてみてください!
なぜ「CUP」を「カップ」と読む?」
今まで50人くらいのママさんにこの質問をしてみましたが、答えられた方は1人もいませんでした。
おそらくみなさんがコレを「カップ」と読んだのには、こんな理由があるからだと思います。
だって、学校の先生がコレを『カップと読む』と教えてくれたから
きっと、そうじゃないでしょうか?
そこにはちゃんと、理由があります
単語の綴りと発音にはある程度のルールがあるのです。
では先ほどの「CUP」で説明しましょう。
「CUP」という単語には「シー・ユー・ピー」 というアルファベットが3つ並んでいますね。
アルファベット単体で読むと「シー・ユー・ピー」なのに、なぜ3つが合わさると「カップ」と読むことになってしまうのでしょうか?
そこにはちゃんと「フォニックスのルール」が隠れているのです。
アルファベットの「C」
アルファベット単体で読むときの、例えば「シー」は、言ってみれば「この文字の名前」です。ちょっと違うかもしれませんが、「固有名詞」だとイメージしてみてください。
「C」という文字には「シー」という名前が付いていますが、いざ英単語で発音するときは
「クッ」
という音になります。
ちなみに「くだもの」の「く」のような音は出しません。
弾くような感じで息だけを飛ばす音です。
わかりやすく言うと…「ちび◯る子ちゃん」に出てくる「野口さん」の笑い方のようです!
(私の世代なら知っているはず(笑))
アルファベットの「U」
「U」という文字には「ユー」という名前が付いていますが、発音するときは
「(びっくりした時の)アッ」
と言ったような感じです。
(私は中学で「ノドの奥からの『ア』」だと言われました)

「あっ、お醤油買い忘れた…」とつぶやいてみてください。
ソレっぽくなりますよ!
アルファベットの「P」
最後に「P」の文字です。名前は「ピー」ですが、発音するときは
「プッ」
となります。
プリンの「プ」のように音には出さず、口先で息だけを弾くような感じ。
イメージは…クチビルに張り付いた魚の小骨を飛ばすような…
(お上品な例が浮かばない!)
さぁ、この3つの音の「発音のルール」のっとって「CUP」を読んでみると
「クッ」「アッ」「プッ」
となります!
はい、だんだん早く読んでみてください!
「クァップ、クァップ…カップ!」
になりましたか!?(笑)
これが「CUP」を「カップ」と読む理由なのです!
「フォニックス」を学ぶとこんなことができる!
英語の綴りは少し特殊で、日本語と違い例外がたくさんあります。
フォニックスのルールを学んだとしても、そのルールに当てはまらない単語が存在するのも事実です。
日本語は「あ」と書けばそれ以外の読み方はありません。
「め」と書いて「く」と読むなどの例外はありませんよね。
その代わり「あめ」と書くと意味が違ってくる場合はあります。
「雨」なのか「飴」なのか「編め」なのか…
それはアクセントの違いや文章の流れで推測することができます。
フォニックスのルールをマスターすれば、英単語のおよそ75%をカバーできると言われています。つまり、それ以外の「例外」は個々に覚えていく必要があるのです。
しかし、「ABC〜」にそれぞれ基本となる音があるのだという理屈がわかると、初めて目にする単語でも「なんとなくこんなふうに読むのかな?」と推測することができるのです。
また、音しか把握していない単語でも「なんとなく」文字にすることができるようになっていきます。
これは読み書きをする上で子どもたちにとっては非常に強みになっていきます。
フォニックスのルールが100%でないが為に、この方法を「有害」という議論もされてきたそうですが、現在は有効である説が認められ、多くの英語圏の子どもたちが最初に読み書きをする際に使用されている方法となっています。
これからお子さんを英語教室に入れようとしている方、おうち英語をやってみよう!と言う方。フォニックスの存在を知っておくと5年後、10年後にお子さんが読み書きをする年齢になった時に違いが現れてくるかもしれません。
まずは知ること!そして、子どもと一緒に楽しんでみましょう!