乳児期から語学を学ばせることは脳にもいい影響を与え、親子のコミュニケーションを取るうえでもとてもいいツールになるというお話をいくつか書いてきました。
じゃあ、具体的にどうすればいい?
私が自宅で実際に行っている方法もチラッとご紹介します!
乳児期の「おうち英語」
乳児期の発達
新生児から3歳までは、全ての子どもにとって「情報のインプット期」です。
特に新生児〜1歳までの赤ちゃんは言語だけでなく目で見たものや耳で聞いたもの、口に入れたものや手で触った感触など五感をフルに研ぎ澄ませて日々を過ごしていて、その成長のスピードは大人とは比べものになりません。
この時期の赤ちゃんは何もかもが初体験。
寝返りができるようになってからはおすわり、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、そして歩くようになるまで、とにかく脳の神経が繰り返し刺激され1歳までにその回路は目まぐるしく作られていきます。
赤ちゃんがなんでも口に入れるのは、その「物」がどういうモノであるのかを確認するため。
コレは硬いのかな、柔らかいのかな?
どのくらいの大きさなのかな?
かじったらいったいどうなるのかな?
大人が見ればなんてことないカラーブロックも、赤ちゃんから見たら未知の世界のものです。
大人ほど目がよく見えない赤ちゃんは、2歳ごろまでは物を手でこねくり回してだいたいの情報を調べたら、真っ先に口へ持っていきます。
口の方が、いろんな「情報」を感じやすいのですね。
驚くべきは「聴力」
五感の中でもとりわけ優れているのは「聴力」です。
赤ちゃんの聴力ができあがるのはお母さんのお腹の中にいるころ。
およそ5ヶ月の胎児の頃に完成し、お腹の中でお母さんの声や周りの音を聴いています。
そして生まれて新生児となった頃からちゃんと母親の声かそうでないかを聞き分けているのです。
「お母さんの声で子守唄を聴く」
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、こんなに幸せなことはありません。
赤ちゃんのお世話をするときには、実況をするのがいいと言います。 オムツ替え、お風呂、あやすとき、寝かしつけ、おっぱいやミルクをあげるとき。
◯◯しようね〜
多くの親御さんたちがこのようなシーンで赤ちゃんに自然に声かけをするのではないでしょうか?
もし「無言でオムツを替えている」という方がいらっしゃったら…
できれば今日から声をかけるようにしてあげてください。
赤ちゃんに「聞き分ける」能力が!
生後およそ6ヶ月〜10ヶ月くらいまでのあいだ(諸説あり)、いろんな言語の音を吸収することができるそうです。
この時期に日本語も英語もインプットしておくと、言語をつかさどる回路ができあがっても
今のは日本語だな
さっきとなんだか違う音だなぁ
と(赤ちゃんは細かく考えていないでしょうけど)聞き分けることができるので、この時期におうちの人がたくさん話しかけてあげると子どもはグングン吸収します。
一説によると、およそ生後半年を過ぎた頃にはママの言っていることをある程度認識するのだとか。
まずは身近な単語から!
多くの方がされるように、小さな絵本やおもちゃで赤ちゃんに単語を教えますね。
動物や色の名前、体のパーツや「パパ、ママ」など…
このくらいの単語なら、中学英語の知識でじゅうぶん!
発音の綺麗なママはもちろん、発音に自信のないママも、そんなこと気にしないでどんどん教えましょう!
私は娘が0歳の時によく英語の童謡を歌っていました。
日本語でも英語でも、歌は赤ちゃんを育てる大切なツールです。
短い歌でもOK!
「ママが歌っていて一番落ち着く歌」や「歌いやすい歌」を中心に聴かせてあげてください。
子守唄が一曲でもレパートリーに入ると便利ですよ!
幼児期の「おうち英語」
1歳を過ぎたら
まだまだ脳はインプットの時期。
早ければ1歳代前半で単語が出る子もいますし、遅くても2歳半を過ぎた頃までに出るのが標準と言えます。
ただ、話し始めるのが「遅い」とマイナスと考える人が多いと私は感じていますが、早ければいいと言うものでも、遅くてはいけないというものでもありません。
ママが焦ってしまわずに「話したい時に話し始めればいいさ!」と、おおらかな気持ちで包んであげましょう。
それまで子どもはインプットをしているのだということをお忘れなく…。
お下品な言葉を使うと、それも吸収してしまいますから。
また、間違っても「この子はまだ言葉が出なくて…」と、他人の前で子どもを下げないであげてください。子どもはちゃんと聴いていて、自信をなくし続ける人生の幕開けとなってしまいます。

ほとんど理解もしているので
自分に自信をなくすようなことは言わないで!
言葉はインプットの量が関係する?
日本語か英語はこの際関係ありませんが、やはり情報のインプット量が多いのと少ないのでは、アウトプット(言葉が出ること)に少なからず影響を与えます。
たくさん言葉を聞いている子は、話すのが早かったり上手だったりする傾向があります。
ちなみに性別による「言葉の早い遅い」も多少あり、もともと女性の脳の方がお話をする能力が高いので、男の子は話し始めるのがゆっくり、それに対し女の子は話し始めるのが早い(それでもって達者!)という傾向もあります。
(筆者の近所に住む男の子は、とってもおしゃべりが上手なので一概には言えません)
身体能力がどんどん向上して、公園などでも遊ぶことができるくらいしっかりした体つきになっていきますが、体を動かすことは脳の発達も促しますので多いに動かしてあげてください。
また1〜3歳のこの時期は言葉に限らずいろんな情報のインプット時期です。
例えばブロック遊びや月齢に合わせた簡単なパズル、歌や文章を記憶させるなど。
インプット量がある一定まで達すると、まるでコップからあふれる水のように言葉も出始めるでしょう。
また、1歳を過ぎると物の名前を覚えることもどんどん増えていきますね。
0歳代に引き続き、動物や色の名前、また昆虫などはとてもよいツールだと思います。
これは赤ね、Red!
青だね!青!Blue!
Green! 緑だよ!
このように私は「日本語で教えて英語を聴かせる」or「英語を聴かせて日本語で補足」のどちらかでやっていました。
また「yummy!(おいしい)」など、簡単な「気持ち」を表す言葉もおすすめ。
上のような単語が定着したら、短い文章にしてみましょう。

「Red!」→「It’s red!」
「Yummy!」→「It’s yummy!」
反応がなくても、続けてください。
コップの水があふれるまでは、言葉の情報は脳に溜まりっぱなしです。
それでも子どもはちゃんと聴いていますし、ちゃんと聴いていないように見えても耳に入っています。
親ができるたったひとつのこと
いかがでしたか?
決して難しい単語は使いませんし、英語のついた絵本などを見ながら読んであげるだけでも立派な「おうち英語です」。
つまり、親はカンペを使用していい!ということ(笑)
おうち英語で親ができるたったひとつのこと。
それは、パパ・ママが関わって生の声で子どもに英語を聴かせてあげること!
(おじいちゃんやおばあちゃんでももちろんOK!)
そこにカンペがあっても、発音に少々難があっても構いません。
まずは「触れさせる」ことで、大きくなっても英語が「学習」と捉えることなく吸収していく環境ができあがるのです。
そして、そこには大事なポイントが!!
Point 1. 「教えてあげる」にならないこと
乳幼児は自分の興味のあることだけに集中すべく、本能で生きています。
そこに「◯◯を教えてあげよう」と押し付けるのは親のおごりです。
「一緒にやってみよう!」「一緒にやってみない?」という精神で、食いつけば御の字、食いつかなければやり方に問題があるか、今お子さんは別のものに惹きつけられています。
「じゃあ、またあとにするか」という余裕を持ち、謙虚な気持ちで挑みましょう。
「もう!ママがせっかく歌ってあげているのに!」
「せっかく本を読んであげているのに!」
このような気持ちになるくらいだったら、その日はやめたほうがよろしいかと思います。
Point 2. 食いつかなくても続けてみる
人間の集中力は、そもそもそんなに長時間続きません。
乳幼児で一般的に年齢+1分、大人でもピークを保てるのは15分くらいと言われており、せっかくお歌や絵本を用いても、赤ちゃんは飽きて別のことをし始めるかもしれません。
「ほら、本を読んでいるからちゃんと聴いて!」
と呼び戻してはいけません!
押し付けた瞬間に、それは子どもにとって「望まない学習」になってしまいます。
「イヤ!」「聴いて!」なんてやりとりをしてしまうと、子どもの脳では「ママが絵本を持ってくる」→「イヤなこと」という回路ができてしまいます。
そこは何があっても耐えなくてはいけません。
ママも軽い気持ちで、絵本を1人ででも最後まで読んでみてください。
お子さんが聴いている、聴いていないは関係なく続けるのです。
そばでブロック遊びをしていても、実はちゃんとお子さんの耳に入っていますよ。
英語に限らず、読み書きや日常のこと何にでも当てはまる
「押し付けないで、マネさせる」
これを肝に命じておくと、意外とすんなりお子さんの方から
「やりたい!」
という表情になっていきますよ!