








数えられる?数えられない?
この日は土曜日。パパが散髪に行っているあいだ、家事を済ませてしまおうとしていた時のこと。ちょうどセッケンを探していたところに、おゆりがやってきました。
最近、我が家では赤い牛乳セッケンを使い始めたのですが、コレがツルツル&スベスべになって気持ちいい!バラ売りで試しに使ってみた直後にすぐ箱買いしました。
あの箱がどこに行ったかな〜なんて探していてひらめいた!

セッケンの数え方は、アメリカにいたころ通っていた語学学校でたまたま教わっていたのを思い出したので、そのままおゆりに教えることにしました。
加算・不加算名詞は日本人である私には感覚が難しく「セッケンなんて1個2個でいいじゃん」というのが正直なところ。
中学生の時に「紙は数えられないから”a piece of paper”と言う」と習っても納得がいかなかった記憶があります。

んなもん、なんでもそうだろうよ!
…いやいや、今なら言いたいことはわかるんですけどね。
×数えられない ◯数えない
さて、ところで数えられる・数えられないと言いますが、数えられない名詞の方はどのようにして決まるのでしょうか?
実際は「数えられない」というよりも「数えない」ものを不可算名詞と呼ぶのです。
ポイント① 切り分けた時に性質が変わる?
例えば、車を半分に切ってしまったら…車として使えなくなってしまいますね。もはや「車」として機能しているとは言えず、スクラップです。
牛という動物を切り分けてしまうと肉のかたまりになってしまい、「牛」という生き物ではなくビーフ(牛肉)という食品になってしまいます。
切り分けた時に機能しなくなる・別モノになってしまうものは「数えられる」名詞として扱います。
反対に水や牛乳や油など、切り分けても形を変えてもそれぞれ機能として変わらないものは数えません。一滴でも水は水。スプーン一杯でも牛乳は牛乳。そして鍋に塗っても油は油です。
食品の多くが、この不可算名詞です。
bread
butter
rice
juice
pork
jam
ただし、食品を数える場合もあります。
アメリカ人の大好きなピザ。カットしていないピザは”a pizza”または”one pizza”と数えられます。これは食品を明確に「丸ごと・いくつ」と捉えるため。
しかしカットしてしまうと”one, twe…”という数え方ではなく”a piece of pizza”や”a slice of pizza”(一切れのピザ)などという「数えない」表現になります。
これは、カットしてもピザはピザ。その”性質”は変わらないためです。
上で述べた「紙」の他に、ケーキやスイカなど、切って食べる食べ物なども同じです!

食品以外にも数えないものがあります。
blood
detergent
gasoline
paper
shampoo
lotion
やはりポイントは「一滴・ひとすくい・ひとかけら」になったとき、別モノにならないもの!ということですね。
ポイント② 形や境界線がハッキリしているものか?
形や境界線のないものも「数えないもの」として扱われます。
例えば
◯air(空気)
◯oxygen(酸素)
◯smoke(煙)
◯dust(ほこり)
など。
目に見えず、形や境界のないものばかりですね。
それからビジネスマンの方は必見!会社でよく使う、こんな単語も数えません。
◯information(情報)
◯advice(助言)
◯data(データ)
など
なぜなら情報も、アドバイスも、データも、その「量」は関係ないからです。
「3つのアドバイスをされた」場合でも「advices」とは言わないでくださいね!
ポイント③ めんどくさすぎて「数えられない」もの
ひとつひとつは数えられても、実際は数える必要のないモノって、ありますよね。
例えば日本だったらお米。ひと粒ひと粒…と表現することはあっても、お茶碗によそった数をわざわざ数えて表現することはないでしょう。
また、髪の毛や植物の「タネ」など、こういった細かいものは本来「可算名詞」ですが、集合体になった時には「不可算名詞」として扱います。
可算・不可算があっという間にわかってしまう裏ワザ(?)
もし、可算名詞か不可算名詞かわからない単語にこんなものがくっついていたら…ぜひその機会に覚えてみてください。
ズバリ!
どちらも「たくさんの〜」という形容詞です。
中学校の英語の授業をきちんと聞いていたあなたは、もう違いがお分かりですね!?
much:後ろには不可算(数えられない)名詞がくる
例えば、
「many people」(たくさんの人々)
と言うことはできますが、
「many money」(たくさんのお金)
は、間違いです。
お金は不可算名詞なので
正しくは「much money(たくさんのお金)」ですね!
このどちらかの形容詞とくっついている名詞を見つけたら、ついでに可算か不可算か覚えられるチャンス!知っておいて損はないハズです!
うち子の印象に残った「不可算名詞」
これは完全に私の経験ですが…(笑)
アメリカ滞在時、授業で「コレは数えないから気をつけてね」と教わって妙に納得したものを挙げてみます!
●furniture(家具):
机、椅子、タンス、テーブル、ソファーなどいろんな種類・形・大きさがあり、数えにくいそうです。
●baggage・luggage(旅行かばん・手荷物)
駅や空港などで複数の荷物を持っていても…上の家具と同じ理由で、数えないそうです。
●money・cash(お金・現金)
そもそも数字で扱うのに「数えない」とはこれいかに。
紙幣や硬貨があるから?境界線がないから?数えるのがめんどくさいから?全部?(笑)
ただし通貨の単位は数えられ、“1 dollar…2 dollars…3 dollars…” となります。
●clothing・underwear(洋服・下着)
私の大好きだった先生、レベッカはメキシコ系の方でした。ご両親は母国語がスペイン語だったため英語があまり得意でなかったようですが、彼女は
私のママはいつも”underwears”って言うのよ。これは間違いだからね。
と面白おかしく教えてくれました。
また、彼女から教わって印象に残った不可算名詞がもう一つ。
“Fish”に”es”をつけないで!聞いていて気持ち悪いわ。
魚自体は可算名詞ですが、彼女の周りでは習慣的に複数にしないようです。
【まとめ】不可算名詞の数え方
不可算名詞は「ひとつふたつ…」と数えられない代わりに「量」や「はかり方」などで表します。
a pinch of salt
(塩ひとつまみ)
◯アイスクリーム:
a scoop of ice cream
(ひとすくいのアイスクリーム)
◯コーヒー(紅茶):
a cup of coffee(tea)
(一杯のコーヒー(紅茶))
実はこの可算・不加算名詞の考え方は、絵本「はらぺこあおむし」の英語版でも身に着けることができます!
お腹をすかせたあおむしがいろんな食べ物を食べていく、あのシーン。
ソーセージやカップケーキは「ひとつの〜」と数えていますが、スイカやサラミはカットしている状態で「ひと切れの〜」と書いてあります。
(ちなみに「はらぺこあおむし」には可算・不加算名詞の他に曜日などが出てきたりもするので、幼児にはピッタリな素材なんだなぁと改めて思います。)

おまけ
余談ですが、日本で言う「朝メシ前だぜ!」という表現。
英語では”It’s a piece of cake!!”といいます。
どちらも
朝メシを食う前にチャッチャとできるぜ!
ケーキを一切れ食うなんて余裕だぜ!
このような意味が転じて
そんなのカンタンだよ
という意味です。
日本では朝メシ、英語ではケーキ。この文化の違いが面白いですね。
可算・不加算名詞のお話はいかがでしたか?
ではみなさん、ご一緒に!

楽勝だよ!